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2007年4月21日
結局は主成分分析か
先ごろ、ようやく手元に届いた雑誌にあった、ランダム行列をポートフォリオ理論に適用したその名も『経済物理学』についての投稿を読んでみた。
ある銘柄についてリターン[r_i]を正規化した行列W_i,jを生成し、Wを利用した相互相関行列Cから、固有値λ_j(j=1,...,n)を算出することができる。で、Wをランダム行列としたときに得られる理論上の固有値密度分布ρ(λ)から、[λ_j]>[λ_+]であれば、その固有値λは『特徴を示す』ものだと説明があった(λ_-≦λ≦λ_+のとき、ρ(λ)>0)。
詳細は雑誌など関連説明をご覧頂きたい。
特徴を示す、というのは株式市場で言えば『全体の流れ』というべきもののようで、いわゆるTOPIXなどの指標に近い動きを示すらしい。
で、それは何だね、と突き詰めれば、結局は『主成分分析の第一(j)主成分を見たときの固有ベクトル』とほぼ同じなんだと分かって新鮮味がないことに落胆する。
でも、これで『得られた固有値が"特徴"としてどれだけ強いのか』どうかという判断材料が寄与率以外にもあると分かった。
プレーヤーが6人のゲームで、過去L戦の成績データから成績評価行列Wを作ったときに、相互相関行列Cが持つ固有値λについてその理論上の固有値密度分布をグラフ化してみた。図から言えることは、当たり前ながらLが大きくなると、『ランダム性』を示すλ_+の値が低くなるから"特徴を示す"とされるλが低くても特徴として捉えやすくなる。つまりは、データが多いほど判断には困らないよね、ということが分かる。ちゃんと書くと、固有値λのプレーヤー数N(=6)に占める割合≡寄与率が大きくても、Lが小さいと特徴として見ていいか判断に迷うことになる。
By ただ at 22:01 カテゴリー ; mein Erbe
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