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2008年4月 5日

特許の鎖国化 vs 技術のオープンソース化  このエントリーを含むはてなブックマーク 

iPS細胞の話題でも最近特許のニュースがありましたが。

ソフトウェア特許についてはGPLを筆頭とした反特許チームが躍進してます。こういった技術のオープンソース化によって評価を行う側の数が増え、よりソフトの進歩が早まると言うものですが。確かにそういう側面はあると思います。しかしながら、このような活動を業界の人間が行うことは自ら産業の斜陽を行っているとも考えられます。つまりは、自分で自分の首を絞めとるんとちゃうか、と。
既に規模が大きくなって体力が十分ある企業にとっては、オープンソース事業を持つことは収益面でそれほど大きなダメージとはなりません。しかし、そうではない企業にとってはかなりうまくビジネスモデルを考えないとかなり厳しいことになると考えられます。結局のところ、オープンソースの推進はソフトウェア特許と同様に参入障壁を高めている、ということになっているのではないでしょうか。汎用的なソフトに関しては、もちろんオープンソース化していくことに意義はあるのですが、そうでない専門的なソフトにおいても同様にオープンソース化一辺倒の流れが強くなると産業の育成にも悪影響を及ぼしかねないのではないでしょうか。

iPS細胞のようなサイエンスから生まれた技術は、「論文」という形で否応なくその再現方法が文章として公開されてしまいます。まぁ、特許も、文章や図として公開されるのは同じなのですが、科学論文と異なるのはチェックする審査官が「学者とは違う」というところが大きなところではないでしょうか。ソフトウェア特許の場合は、「あえて申請しない」という手が使えるわけですが、論文で公開されてしまう大学発の技術などはそうもいかないところが難しいです。

で。そもそも特許というものは、「発明を奨励し、また産業の発達に寄与することを目的としている」ものなんだそうです。特許(ソースコード)を公開することでより良い技術を生み出そう、というオープンソースの信念そのものだと思うんですが、目的と手段が逆転していることが多いと感じるのは仕方ないことなのでしょうか。

By ただ at 22:44 カテゴリー ; mein Erbe

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