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2005年9月15日

一昨日の晩御飯は?  このエントリーを含むはてなブックマーク 

勉強したら脳細胞増える マウスですが…大人にも希望?

こちら元論文。
GABAergic Excitation Promotes Neuronal Differentiation in Adult Hippocampal Progenitor Cells (Tozuka et al.)


電気生理はよく分かりません。が、「脳年齢」とかいう言葉も最近流行りなんでタイムリーな話題ではあると思う。特ダネのオープニングで小倉さんも言ってはったくらいやし。

『成体の海馬に存在する前駆細胞はGABA(γアミノ酪酸)の興奮作用により神経細胞への分化が促進される』

というのがタイトルの和訳になるわけやけど…GABAって抑制性では?と思った方は偉い。健康ブームに興味アリとみました。興奮性でもあるとご存知の方はもっと偉いわけですが。興奮性か抑制性かは、神経細胞に流入、もしくはそこから流出するイオンの量によって決まるわけやけど、中でも塩化物イオン(Cl-)の濃度がキー。大脳新皮質では神経回路が形成される前からGABAは存在してるけど、どんな作用を持つのかは現在不明。一説によると神経回路の形成を促進するために機能しているとされている。当初成体の神経回路では抑制性に働くので神経回路形成前でも抑制性に働く、と考えられていたが実際にはCl-イオンの濃度が成体よりも高いことが判明して発生期では抑制性ではなく興奮性に働くことが分かった。発生期の海馬でも興奮性に働く現象について議論がされていたわけやけど、今回の論文によりGABAによってNestin陽性細胞が神経細胞に分化する現象が見られたと。けど成体っていうのが引っかかる。スライスしてるしなぁ。まぁ、嗅球じゃ成体でも神経細胞生まれてるし、生後でも興奮性に働くGABAは見られてるから、実際あっても不思議じゃないとは思う。

あ、シータ波を絡めるのを忘れたやん。

特ダネでのオープニングコメント「おとといの晩御飯は覚えてる?」について、覚えていないのは「不必要な情報は自然消去」と考えれば限られた処理能力を有効に使う対応策として理に適った制御やと思うんやけど…どうなんやろ。物忘れを抑えるには「脳を鍛える」というのが最近のゲームやったり東大合格を目指すドラマやったりに現れている解決策なんやけど、これまでは「神経細胞が死んだりして神経回路が切れる方向に変化しているために記憶力の低下が起こる」という話じゃなかったのかいな。それで、脳を鍛えると「神経回路が切れるのを遅くしたり、逆に新しい神経回路を作ったりする方向に持っていける」というのが主張やったはず。まあ、それが全てではないとは思うし、第一本当かどうかも分からんからね…。
「脳を鍛える」というのは反復動作練習やから、動作記憶として記憶されてしまうとむしろ物忘れとか言う次元ではなくなる(俗に体が覚えてるという状態)と思うし、それゆえパターンから外れた問題が目の前に現れたときには結局のところその問題に対しては脳力が別扱いになると思うんやけど…その点に関しても謎。

数分考えに考えて声高らかに「あ、デニーズのカルボナーラだ」と思い出した笠井アナ万歳。

参考(PubMed)

By ただ at 18:03 カテゴリー ; 仕事関係 , News , News

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