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2005年10月 6日

医療福祉学と生命科学が交わるとき#1  このエントリーを含むはてなブックマーク 

就職して早くも半年が過ぎた。学生研究者としてのだらけた生活から、会社勤めのだらけた生活に変わっただけやけど…。


どうして研究職に就かなかったのか…確かに、実験して生命現象を解き明かすことはとても面白くて、楽しいと思う。ましてや、その結果がうまく出て論文になろうものならそれは研究者として至福の出来事やろう。就職活動をやっているときに、こういった基礎研究をしている人が面接のときに聞かれてちょっと困ってしまうことと言えば

「面白そうな研究じゃないですか、そのまま研究を続けたらどうですか?」

という質問。『え、うちに来なくていい、って?』そんな被害妄想をも抱かせてしまう質問なわけやけど…。まあ実際やんわり断るときに使ってそうな言葉なんやけど、それに太刀打ちできる返答は「やはり学生としてではなく、企業の一員として…」とかフツーに考えたらそんなんになってしまうと思う。せやけど、現実には『論文が発表されたら社会貢献になる』というこれまでの基礎研究者の言い訳に加えて、大学が独立法人化された今は論文をpublishすることはひとつの通過点に過ぎずその理論が実際に応用研究に繋がり、大学発ベンチャーとして企業化できる(そして市民に技術成果を還元する)というところまでが社会貢献に含められるようになってきていると思われる。実際問題として大学院で研究してる院生が、企業に就職する理由は「人間関係がうまく行ってない」とか「研究者に向かないことが分かった」とか、「研究の結果がなかなか出ない」もしくは「博士まで取ってしまうと就職先がなくなる」とかいう理由がほとんどやと思う。全部ネガティブ。そんな状況でも、そこはしっかりとポジティブな文言で誤魔化さないとあかん(!?)ところなんやけどね。

まあ、そんなこんなで僕も研究職という道を捨ててこの世界に入ってきた1人なわけですが。この業界も今は一種の踊り場的状態にあると言われている。学生委員で例えれば(かなり特殊やけど)、人数が少なくてもなんとか回ってる状態で「とりあえずできそうなことはやってみた、でもこれからもっと成長しようと思ったら人数も増やす必要があるしこれまで以上に活動の認知度を上げていかないといけない」てなところか。ちょうど僕らと僕らの1つ下の世代のような感じか。技術的にも比較的単純な要求から少々複雑な要求まで実現することは可能で、ある程度顧客満足を満たすものは作ることができることができるようになってはいるものの、乱立している中小企業群がトータルソリューションを得意とする大手企業を相手に小さい市場でひしめき合っているという状況である。それに加えて、近年の製薬業界の研究開発に対する厳しい目、大学の独立法人化による出費削減など、新たな成長を阻む要因も少なくない。

そういった中で、現在市場を賑わせているのが医療器具ではなく、研究用分析機器やデータを扱う企業や研究機関とIT企業との連携による設備システムの開発である。現段階では、研究者に対するソフトウェアの供給から実用可能な臨床向けの装置開発に向かっていると思われる。(続く)

By ただ at 13:12 カテゴリー ; mein Erbe , 仕事関係

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