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2006年9月25日

マルコフ過程と熱対流  このエントリーを含むはてなブックマーク 

中田先生に質問 - JT生命誌研究館

Q. 発生は、脳に限らず、全てがマルコフ過程に沿って行われているのでしょうか?つまり、Hox遺伝子などの調節遺伝子も、細胞同士がコミュニケーションをとるための分子の一つに過ぎず、実際に形を作っているのは、熱対流に見られるようなマルコフ過程に沿った自己組織過程(遺伝子に書かれていない自然の法則)だと考えてよいのでしょうか?

A. その通りだと思います。

んまぁ、なことだろうとは思っていたけど、ここまであっさり言われると悲しいもんだよな。あ、マルコフ過程、というのは「次の1手が過去の手に依らない確率過程」…ということは、前に書いた確率微分方程式とブラウン運動の間に入る理論になるわけやけど。


そう、マルコフ過程で調べてたら、こっちに引っかかってきたんだわ。なんてこった。ここからスピンアウトした「隠れマルコフモデル」になると、自然言語処理・ゲノム解析とかに分化してくわけやね。
で、ここで「ポアソン分布って何やったっけ」と思い出したら指数分布の1つやった…こっちはガウス分布とか2項分布に繋がるわけか。もともと「平均でこれくらいで起こる」というのが決まってる時点でマルコフ過程とは違う。

「マルコフ過程」なんてちゃんと習った記憶がないんやけどなぁ…。隠れマルコフモデルって、ある制限が掛かってるときのマルコフ過程(次に起こる事象が条件付確率で制限されてる)と考えれば、有向グラフ問題に置き換えたときの節点のクラスタリング手法の糸口にもなるわけで、それは同時にDP(動的計画法)とすることもできる。
DPで最尤な状態(最適解)というのは、エントロピーが最小な状態と言うこともできるから、そうすると、マルコフ過程が成り立つ熱力・統計力学の世界と繋がる。そう、やっと繋げられた(実際には熱力ではエントロピーが最小になることはなくて最大の状態が最適解やけど)。
大学の授業で、ここまで視点の広い授業ができる教授がいたら、絶対ついて行くよ。焦点がボケるからやらんだけか? いやしかし、教授は扉の場所を示すべきだとは思う。扉を開けろ、とまでは言わないから。

で、熱対流に話を戻すと。胎内の温度ってほぼ一定やと思うんやけど、ほんまに熱対流って言うほど対流してるんやろうか。左右軸を決めるときは、ほぼ熱対流で決まりやと思うんやけど、それ以降も熱対流で片付けられてしまうのは…とも。
確かに、生物屋さんとしては「実際に証明できてないやん」なわけなんよね、もともと生物という学問体系が分類学やから、現象論がベースになってるわけで。物理屋さんから見たら、いつまでたっても不確定な要素から逃れられない宇宙定数を求めてるようなもんに見えるんやろうね、脳の発生を解明するって。そこにサイエンスのロマンがあると言えばどちらも捨て難いのでは(シミュレーションなんかで終わらせてたまるかい、ってこと)。

「砂の器」「Gメン75」丹波哲郎さん死去

あらまぁ、亡くなりはったんや…。大霊界に旅に出はった、ってことにしておきたい。

By ただ at 22:27 カテゴリー ; 仕事関係 , 仕事関係 , News

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