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2005年12月17日

韓国ES細胞の顛末  このエントリーを含むはてなブックマーク 

asahi.comに載ったニュースより

さらに詳しい経過、実際の画像などは黒影さんのところの黄教授捏造を認める-存在しなかったクローンES細胞-にあるのでそちらもどうぞ。ここのニュースは12/16~17のニュースだけやけど、黒影さんはそれ以前からずっとこの問題に注目してらして、真相究明にかける心意気には頭が上がらないです。

最近日本でも論文捏造問題は注目されてるってのに。下村先生のところのデータ捏造、そして多比良先生のところの再現性の問題と比較的大きな問題でもこれだけあって…でもこの韓国の問題はそのスケールを遥かに超えてるね。

科学は本当に自分自身への厳しさが必要な学問だと思う。フィギュアスケートやゴルフのように、自分自身の身体能力がそのまま評価されるものではなく、思考能力(デザイン力)が評価の対象となるからだ。発表される論文やポスターは、思考という実体のないものを言葉と図表で表現した芸術作品となる。WEBデザイナーやプログラマーが、ソフトウェアを駆使して作り上げたWEBサイトやアプリケーションソフトもそうであるが、その評価方法や評価結果は研究のそれとは大きく異なる。生命科学の研究というのはある意味、結果を自分で選択できるからである。

思考力は悪い方向にも、良い方向にも使うことができる。研究にはお金が必要なことはもちろんそうやけど、それを世界を巻き込み、ましてや科学に対する疑念を抱かせてしまうようなことがあれば、それは生命科学に対する評価を下げてしまうことになる。この一件で、韓国は終わったという声もちらほら聞こえる。国を挙げて行おうとしていたプロジェクトが頓挫してしまったのだから、それもそうだろう。
研究開発にはすぐに利益にならないお金がたくさん必要になる…だからこそ、それだけ将来を見据えた思考力が必要になる。結果的に、ポシャってしまう研究もあるのは仕方がないとしても、ウソで固めたプロジェクトが公に出てくるようなことができるだけないようにしてほしいものだ。設計を偽造された建物に知らずに住んでしまうようなことがないように。

By ただ at 22:19 カテゴリー ; 仕事関係 , News , News

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