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2005年12月21日

がんの見つけ方  このエントリーを含むはてなブックマーク 

がん発見率の格差是正へ 学会が検診の「質」指針化

こちらのニュースはX線写真(レントゲン)について、写真の画質や医師がその写真を判断(読影)する能力などに関して最低基準をまとめて全国の検診機関に指針として示すことについてやけど。検診に際しての基準が客観的に決められることが、EBMへの着実な一歩となることは間違いない。…しかし遅すぎる、とも思う。

以前PETイメージングのシンポジウムに出たときに聞いた話やけど、最近はMRIで形態画像、PETで機能画像を撮影して両方を重ね合わせることでどこで何が起こっているのかを調べることができる。
つまり、MRIは磁気共鳴を使ったぼんやりとした画像で主に水分で白く見える。そこに放射性物質で標識された試薬で、見たい部分をPETを使って可視化する…。そうすると、がんの幹部で特異的に発現するタンパクや代謝物を標識して、MRIとPETの撮影をするだけでがんがどこにあるのか、転移しているのかなどを見ることができる。
しかし、この方法もまだ完全ではない。がんになるメカニズムが完全には解明されていないので、今のところ標識できるのはがんに"なった結果"現れる物質に限られている。また、再発と擬陽性の判別が手術後のある期間内は区別が難しいという難点がある。これに加えて、PET薬剤の特異性、つまり標識したいものが確実に標識できる信頼性の向上が必要になる。がんになる"直前の"原因物質の解明と、より効率的に標識できるPET薬剤が待たれる。

現在、標識する薬剤に抗体を使うなんていうアイデアも研究されているし、プロテオームの研究によってがんに特異的なタンパクの探索が進んでいるので、近い将来にそれらが結びつくときが来るに違いない。

えらい風なんやけど…明日吹雪にならなきゃいいが。

By ただ at 21:37 カテゴリー ; 仕事関係 , News , News

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