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2007年5月19日
原理的には想像可
犬語翻訳機、猫語翻訳機、なんていうのがひと昔におもちゃとして注目されたときがありましたが、もっと実用的なものとしてこんなものがスペインでは作られていたらしい。
ホワイクライ:泣いている赤ちゃんの気持ち、あなたはすぐに理解できますか?
出産祝い、贈答品としていかがでしょう。
一見オモチャじゃね? とも思えるこの装置やけども仕組みとしてはそう理解に難くなく、しかもしっかりしてる(はず)。
音声認識などでは音声の波形をパターンとして記録しておいて、入力された音声がどのパターンに一番近いかを計算することで『その音声が何か』ということを決定している。パターンを記録し、また照合するためには波形の特徴を抽出する必要があり、その部分にはウェーブレット変換が最近ではよく使われる。その後、照合のためには効率の良いパターンの分類を行う必要があり、その部分には自己組織化マップ(SOM)、その他クラスタリングを行うアルゴリズムが使われる。
というわけで、入力される音声がどういったパターンに属するかは、計算によって求められる。
あとは、音声のパターンと、肝心の赤ちゃんの気分とを結び付けることが必要になるけれども、そこは残念ながら数学だけでは解決できない。赤ちゃんの鳴き声とその原因を、地道に調べて経験則としてデータベース化しておかなければならない。犬の尻尾の振り方→犬の気持ちを判別することができるのも、経験則として定義できるからであって、何も予備知識なしの状態ではそれを判別することができない点は、機械でも人間でも同じ。
同じように波形パターンから何らかの結果を出力する装置としては、例えば心電図から疾患の有無等を診断したりというのもある。修論レベルでも作れそうな技術しか使っていないけど、あったら便利な応用事例やね。
「こんなのなくても大丈夫」と思っても、赤ちゃんの鳴き声が原因で虐待とかに走らないとも限らないので、持っていて損はないかもしれないね。10ヶ月程度で役目が終わるらしいので、使い終わったら別の人に譲ればいいし。
僕なんか「全然泣かんから困った」とか言われた身なんですが、もしかしたらそんな人に対しては使えないかも知れない…。
By ただ at 12:13 カテゴリー ; mein Erbe
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