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2006年2月 1日

メチル化のナゾが  このエントリーを含むはてなブックマーク 

今度はチップ関連でござい。

東レと京都大学は内視鏡検査などで採取する耳かき一杯ほどの組織を基に、がんか否かを高精度で判別し、転移のしやすさも予測できる病気診断チップを共同開発した。対象は食道がんと腎臓がん。判別率は85%以上で極めて高いという。京大で性能の検証へ臨床研究を始めており、2年以内の製品化を目指す。 「DNA(デオキシリボ核酸)チップ」と呼ぶ遺伝子解析器具の一種。東レは高分子技術を応用し、一般的なガラス基板より百倍以上感度の高い合成樹脂基板のチップを作製。これを活用し、患者から摘出した胃がんと腎臓がんの組織の中から診断の目印となる遺伝子を京大と探索した。*1
DNAチップがどんどん実用化に向かっているのが分かるなぁ…。既知の現象と対応してる遺伝子との相関が調べられていれば、チップに載せる遺伝子を絞り込むことによってその目的にあわせた臨床用のチップが出来上がると。…でも患部から摘出したcDNAでないとチップで判断できないとなると、まだコンビニ・おうちでがん診断、というのは夢の世界かな…。
遺伝子解析のDNAチップ研究所は千葉大学大学院医学研究院の藤沢武彦教授らと共同で、肺がん診断用のDNA(デオキシリボ核酸)チップの試作品を完成した。肺がんの発症や転移などを把握できる遺伝子を載せており、手術後にリンパ節に転移する可能性を判断できる。*2
こちらは肺がん。「40人を超える患者を診断したところ、転移したかどうかの正答率は80%を超えた。CTスキャンを使った画像診断では60%前後」ということらしいから、解像度の悪いCT(PETでも厳密に部位を特定するのはまだ難しい)よりも発現してる遺伝子を調べた方がいい、ちゅうことなんやろうな。 チップ研(2397)はやってることの露出度は高いけどなんか収益面がいまいちのような気がする…(投資家の視点)。たぶん研究開発に金を使いすぎてるんちゃうかとは思うけど。普及作が早くできればねぇ…。
国立がんセンターと和歌山大学の研究グループは、胃がんがDNA(デオキシリボ核酸)のメチル化と呼ぶ変化によって発症することを発見した。胃がん患者ではDNAの2―4%にメチル化が起きていた。胃がんの主因とされるヘリコバクター・ピロリ菌が感染するとメチル化が起きることも確認した。がんの発病や再発などを予測する技術に応用できそうだ。*3
ああ。これでようやくAさんの話がちょっと理解できた。がんの原因がメチル化、ってのはこれのことね。がん抑制遺伝子がメチル化されて転写不能になったことで細胞ががん化する、ということらしい。…まぁ、胃がんの原因の1つはこれで説明がつく、ということでしょうな。メチル化のin silico解析系(リン酸化も同様に、ゲノム情報をもとにメチル化度合い・リン酸化度合いをバンドのように濃淡で表現する)を構築するのってどこかでやってたなぁ…確か熊本で聴いた記憶が。

By ただ at 22:34 カテゴリー ; 仕事関係 , News , News

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