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2008年10月26日

バイオインフォマティクス業雑感  このエントリーを含むはてなブックマーク 

最近の出張での話、というわけではないのですが、この世界も厳しいなぁということを感じざるを得ない。就職活動中で、この世界に何らかの期待をしている方たちには申し訳ないとは思うのですが(世界経済を見て、もちろん景気が悪くなってるのは考慮に入れずに)。

システム内製化に走るユーザー企業とSaaSの親和性(ref. ITPro)

この記事が指し示しているように、ITバブル崩壊以後(それ以前からも含めて)企業の情報化は何巡かしていると考えられるわけですが、(おそらく)何度も外注をしている会社さんほど学習していると思うんですね、「外注してもいいものができない」「外注するよりも自社でシステムを作れる人を揃えよう」とか。

SaaSの話はここでは置いておくとして、「外注してもいいものができない」と思い始めた企業さんでも、その後の対応が分かれると思います。「いいものができないのは自分のところの調整不足かもしれない」か、「いいものができないのはベンダーの能力が低いんだ」かのどちらかやと思います(第3の選択肢はほとんどないでしょう)。

おそらく、前者の方はいい人たちで、ベンダーにとってとても協力的なお客様になっていることかと思われますが、後者は安くたたき上げるような方向に行く可能性が高い方たちではないかと思われます。今後、工事進行基準が適用されると安くたたき上げるということは基本的に難しくなります、ベンダーの権利が薄皮であっても保護されるわけですから。工事進行基準を守ろうとすると、(以前からも手法的にやられてますが)自然とフェーズを細かく切るようになります。そして、細かく切って段階段階で金額を積むようになるので、ユーザー企業側にとっては安く抑えることが難しくなる(値段を抑えようとすればそれ相応の機能の取捨選択が必要になる、という買い物で言えば当然の道理がようやくベンダーが正面切って発言できることになるのですが)ことが言えます。

と、外注によってコストが下がらないと分かってきたユーザー企業は自社でシステムを組める人を揃えるようになるのではないかと思われます。急にそちらの方向に傾くことはないとは思いますが、全体的な流れとしては、そう思います。

特殊な業界(専門性が高い)だからといっても、世の中ポスドク増殖計画によって職を捜し求める博士たちがたくさんいらっしゃるのです。おまけに、この業界は基本的に儲からないので、大手も手を焼いて撤退を考えてるところも多いというウワサ。ということは、企業数が少なくなるから小さいパイになって…というよりかは、発注側がそういう方々の受け皿になって、仕事の流通量は減少することになると思われます。それに加えて、最も忘れてはならないのは、「一度政府が産業化に失敗している」(ミレニアム何とかというやつ)ということです。iPS、インフルエンザ、AIDS、等々…「バラマキ」に頼るしかない業界なのです。

ところどころ言いすぎなところもあるかもしれませんが。

By ただ at 23:27 カテゴリー ; 生命科学

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